日本財団 図書館


 

少し資料説明をします。「ボランティアの発展のために」というブルーの資料があります。今日は時間の関係でアナ・ミヤレスさんの全部のプログラムも紹介できません。資料の中にまとめてありますので後でご覧ください。
それでは池田さんと太田さんに自分の行っているボランティア活動の目的、問題点等を話していただきます。会場にいらしている皆さん殆どがそうだと思うのですが、全部がうまくいっているというところはないと思います。特にリーダーの人が悩むのは、メンバーの数が増えないとか、活動費がうまく調達できない、新しいボランティアの開発プログラムがうまくいかない、とかマネージネント上の問題になると思いますが、皆さんにお知らせしたいことなどをお願いします。では池田さんお願いします。

 

●ボランティア団体の運営と課題

 

池田 95年、山陽新聞紙上で「幸福のかたち」と題して、さまざまな福祉の実態が紹介されました。私はその記事を福祉と幸せということに対して再確認する意味で熱心に読みました。その緒論とも蓄えることですが、私を含めて殆どの人が、自分に直接関係のない事は、他人事で無関心でいることが多いと気がつきました。ところが、この世の中では社会生活を営む上で、自分だけは絶対に例外であるということはあり得ないのです。そういうことにも気がつきました。70歳になって気がつくのは遅いのですが、それくらい身近な事にも無関心なのです。
「明日は我が身」という先人の教訓がありますが、病むこと、老いること、天災にあうこと、は全ての人が平等に受けなければなりません。これは運命です。だからこそ、お互いに助け合って、共に生きて行かなければ人間の本当の幸せはあり得ないということを改めて反省させられました。この助け合いの心が福祉の原点、ボランティアの心だと思っています。私たちが“幸せだなあ”と心で感じる時は欲しいものが手に入ったり、願望が達せられた時に“良かった”とほっとする気持ち、その時ではないかと思います。
しかし、現実はそう簡単にはいきません。医療、保健、福祉といった行政の複雑な通路を長い時間をかけて通り抜けることが出来なければ自分の願望は達せられない、これが日本の行政の仕組みになっています。そんな行政の谷間を埋めるのが、私たちがやっている福祉ボランティアの役割ではないかと思います。
そこで、私が所属している福祉ボランティア「ひまわり」はそのことを十分に認識して、社協その他からの要請があれば、一応最低限の福祉サービスを速やかに実施できるように日頃から努力しております。
きめ細かい社会福祉の実現は、行政の手の届かないところに手を伸ばす地域住民の地道なボランティア活動を抜きにしては語れないと思っております。
次に、今後の課題ですが、ボランティア活動は自発的で自由な活動ですから、楽しいものでないと長続きしません。細々ながらも長くボランティアをすることによってボランティア活動の成果がでるということは既成の事実ですから、1つ1つの活動に目的を持って、自分が持っている特技を生かした活動をすることが楽しく、長続きさせる1つの方法だと思っております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION